しなやか自分軸研究所が目指している人間関係は、お互いの成長と対等な関係です。
なので、大人は勿論ですが、子どもに対しても自立を促す対応を基本的に考えています。
お互いの成長と対等な関係のために軸対話を採用しています。
その軸対話が大切にしている原則、それが問題所有の原則です。
この問題所有の原則の考え方は、トマス・ゴードン博士の考え方を採用しています。
博士は、この原則を1962年に発表されいます。
未だに新しいと感じるのは、私だけではないのではないでしょうか?
勿論、あなたにとっては初めて耳にすることでしょう。
なので実践しながら腑に落ち、理解していくものであると心得て下さい。
問題所有の原則は
イヤだ困ったと感じた人が一番の解決者である!という考え方です。
子どもが問題をもつ時、その問題の所有者は子どもにある。
それを他者が取り上げてはならない。
つまり子どもの問題は親が一方的に解決してはならないのです。
問題所有という考え方は、特に女性にとって重要です。
というのは、女性は夫、両親、上司、そして特に子ども達など、あらゆる人の問題を解決しようと努め、他の人の問題を自分の問題として捉える立場に立たされてきたからです。女性は、一人一人がそれぞれの欲求や目標を持ち、それは他の人のものとは別個のものであるという事実を、ともすれば見失いがちです。
皆が、自分らしく生きていいのです。
そのためにも問題所有の原則を身につけます。
「問題所有」とは何?
「問題」とは、自分の人生に降りかかってくる様々な解決すべき事柄で、何らかの否定的な感情、イヤだとか不快、苦しいものすべて含まれます。
この否定感情をもつ者が、その問題を所有し、悩み、克服していく権利を有するのであって、それを他者が侵すのは本人の成長の機会を奪うことになる、と言うものです。
誰の問題か?によって対応が異なる
軸対話では
子どもが問題を所有する場合、
子どもがイヤ・困ったを持っている!
親は子どもが問題解決の道を探る手助けをします。
解決策を提示するのではなく、子どもが自らの思考作業を進める過程で、そのつど思考の整理を手伝うことで、本人が解決策にたどりつく手助けの仕方を学び実践します。
親が問題を所有する場合、
親がイヤ・困ったを持っている!このようにあなたがイヤだ、やめてほしい、変えてほしいと思っている相手の行動は、私の問題と考え、そういう問題を解決するための実践的な相手への接し方を学び実践します。
例えば子どもが宿題をやらないとします。
子どもが問題を所有している
学校の宿題をやらないことで、先生に叱られたり、勉強が分からないことがイヤで、なんとかやりたいけれど、つい忘れてしまうのがイヤだと思っているなら、問題の所有権は子どもにあります。
この場合、親は子供が問題を解決の道を探る手助けをします。解決策を提示するのではなく、子どもが自分の思考作業を進める過程で、そのつど思考の整理を手伝うことで、本人が解決策にたどり着く手助けをします。
その結果、宿題をサポートしてほしいなど要請があり、それに応える時間や意思があるなら応じます。
親が問題を所有している
また、子どもが宿題をやらなくても本人は気にもせず、先生に叱られても成績が落ちようが何の不快もなく毎日を楽しく過ごしている一方で、親の方が日々そのことで悩み、それを「イヤだ」と思う感情について対応し、解決しなければならないのは親であって、子どもにはちっとも問題はありません。
この場合は、親が子どもに、自分の思いをきちんと言語化して伝えます。
その結果、子どもが行動を変えるかどうかは分かりません。
話し合いになるかもしれません。
どちらにしても行動は子どもに任されています。
第三者が問題を所有している
また、子どもが宿題をやらなくても本人もいっこうに平気、親もまた平気というのであれば、それはまったく両者とも問題なし。
そのことでさらに別の人間、例えば先生が頭を痛めるとしたら、先生に問題の所有権があり、先生が生徒や、必要なら親に「私は、こう懸念している」という働きかけをすることになります。
ところで、なぜ問題の所有者を決めるのでしょうか?
子ども(相手)が問題を所有する時、
親(わたし)が問題を所有する時で接し方が違います。
このように問題を所有した人が、その問題を解決すべく自ら動くことによって、二人の間の問題なし領域は広がっていきます。
この状態から
このような状態になることを目指しています。⇓⇓⇓⇓⇓
なので相手が問題を所有する時には
救助ではなく支援をする
救助は救い出すこと(相手の問題を自分が所有する)
相手が自らイヤだ困ったを解決できるように支援します。
支援はその人ともに何かをすること(相手の問題は相手のもの)
日常の対人関係で頻繁に求められるのは支援です。
多くの場合、親は子どもの抱える問題をそのまま共有してしまいます。子ども以上に胸をいため、あるいは自分の手で解決してしまって、子どもから問題解決の能力を学ぶ機会を奪ってしまいます。
あるいは、大きな問題であるにも関わらず、「これは子どもが自分で解決する問題だから…」と、突き放して、結局子どもは問題に潰されて心に大きな傷跡を残すこともあります。
こんなとき、ちょっとした親の援助で、子どもが自分で問題の解決策を見つけることができたら、親も子もどんなに楽しいでしょう。
軸対話によるコミュニケーションは、両者が独立した存在として問題を所有したまま、親も子も共に解決策に至る思考のプロセスが習得できます。
そして日常生活で無理なく楽に互いの問題解決を繰り返しながら、今後の人生に待ち構えるさらに大きな問題に立ち向かう力を自然と身につけつつ、親も成長し子も成長していきます。
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